p50「スキルの奴隷にならず、一度すべてのスキルを捨ててしまって、もっと上の視点から目標をたて直すことがどうしても不可欠なのです」

本書で「スキル」とは、
・TOEICの点数をあげる
・よい大学、会社に入る
・国家資格を取得する
・パソコンのソフトを使えるようになる

などがあげられている。

個人的にスキルアップの必要性に追われている(と思い込んでいる)僕にとって、耳が痛くなる一文だ。

地政学・戦略学者の専門家である著者奥山真司氏。その専門分野が個人の目標達成にも活用できると気づき、今回の出版のきっかけになったそう。

戦略とは、「自分の思い通りになるようにコントロールする」こと。  リアリズムで動くこの世界を生き残るためには、戦術(スキル)レベルでなく戦略レベルで目標設定をする必要があると著者は語る。

更に戦略には7つの階層があるとのこと。
世界観(Vision)>政策(Polycy)>大戦略(Grand Strategy)>軍事戦略(Military Strategy)>作戦(Operation)>戦術(Tactics)>技術(Technology)
上位層は抽象度が高く、下位層は具体性が高くなる。

p141-p142
「スティーブ・ジョブズが言っていることは、一番上のビジョンだけです。彼はiphoneを卵の形からインスピレーションを得て作ったと言っていましたが、もうこれなどは抽象度の高いデザインの話だけです。(中略)iphoneにしても日本の技術がないと作れないというのは有名な話で、あの機器のなかにはかなりの日本の部品が使われています。それならなぜ日本人にあれが作れなかったのかと言うと、それはもうアップルがビジョンや政策のレベルで考えていて、現場思考だけでは何もできないことを知っていたからです。」

納得です。
さて、スキルアップのための専門書を一旦閉じて、自分史を振り返り、Visionを立ててみよう。